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猫柳草庵

猫柳の隠れ里にある、庵です。 よろずのことを語るブログです。 政治やら思想やら宗教の話もするから苦手な人はスルーしてね。

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多様性とは格差のこと 言語と国際大学ランキング

多様な文化が生きる社会とは格差社会のことであり、格差のない社会は画一的な社会のことである。
 このかん、ツイッターだのなんだのの議論を見聞きしていると、誰も本気で物事を考えていないし、そもそも本質に迫るほどの智慧のある奴なんてネットにあまりいない。

 日本の大学国際ランキングがガンガン落ち込んでいるんで、言わせてもらえば、日本語はいつ絶滅危惧種になっても不思議じゃなく、モンゴル語の心配なんてしてるほど安定的な状態ではないし、日本の大学国際ランキングが低下していることと、モンゴル語教育がうまくいかないことは問題の根っこがおなじ。

 ようは、いい教育を受ける=貧困から抜け出す、という構図の問題である。
 現代社会はいい大学に入りより良い教育を受けることが、最も安定して人生を成功させる術なんである。

 中国語と内モンゴル語(こう言わせてもらうのは、モンゴルのほうはすでにモンゴル文字を捨て去っているので、別の文字を使う別言語なんですよね。そういう意味では内モンゴル自治区のほうが本来のモンゴルの言語が残っている)の関係は、英語対多言語の関係に似ているという問題である。
 つか、まー簡単に言わせてもらうと、発展途上国に行くと誰でも英語を話せるでしょ? そういうことだよ、そういう。だからアメリカとアメリカかぶれは黙ってろ、お前らがいちばんの暴力的存在じゃわい、と思うわけです。
 大学国際ランキングは英語圏のが強いのは、英語が事実上の最強の”学術言語”だからです。
 つまり、学術の世界では 英語が絶対であり、他の言語は相対的なもの、という状態になっているわけですな。

 昔はロシア語やドイツ語やフランス語もその地位にあったんですがね。
 で、中国の大学の躍進がめざましいのも、中国語が再び学術言語としての地位を確立してきているから、です。
 しかし、同時にこれが民族問題のさらなる複雑化を招いている。
 中国語は方言の発音の差が激しい言葉ですが、どの方言も文字の意味は同じなわけで、読むと書くについては差がないんですよ。しかし、諸民族の言語となると話は別である。文字も文法も違うんだから。(満州語も絶滅危惧だけど、もともと満洲文字ってすごく複雑なルールのものだから、もとから貴族しか読み書きできない。モンゴルのほうはロシア語と繋がりがふかくなりすぎてキリル文字を使っている。)
 それにその地方に行くと本当に言語環境が混沌としており、おそらく中国と他国の国境沿いの地域の正確な状況分析をしている分析官なんてほぼほぼいないと思って良い。
 私が、状況分析的に最も正しいと思っているアカウント、ロシアの大学に留学して、そこらの諸言語に明るい人だからね。
 中国の西側の状況分析は5つぐらい言語ができないとできない。
 ま、この話はおいておくっす。

 学術言語を持つことの強みとは、文化侵略的な強みであり、同時に、学術言語を有する国はいろんな意味で強い国ってことですよ。
 簡単にいうと、複雑かつ観念的なことを伝えられる言語って強いんですわ。
 同時に、それは蓄積であり、古代から歴史や哲学を記述してきた言語は強い。なんで、ラテン語や古代ギリシャ語だって今だに勉強せないかんわけで、化学の基本を作り上げたアラビア語なんてのも強い言語なんですよ。

 つまり、頭が良くないと生きて行かれん社会な上に、頭の良さって残酷なことに「母語の豊かさ」で決まるんですよ。
 乱暴なことを言うと、6000語しかない言語では6000語以上のことが考えられないし、そこに10万語の語彙を持つ言語が襲ってきたら一溜まりもないって話です。おそらく前者では形而下的なことしか表現できないし、後者は形而上的なことを考えるのに長けているわけです。
 頭の良さと言うのは、いかに、形而上的なこと、つまり、概念や観念的なことを考えられるかと言う問題であり、いかに歴史的な蓄積があるかという問題でもあるわけでね。
 これはその言語を母語としている人数とは関係がない。
 国連の国際共通語に中国語が入っていてもヒンドゥー語やポルトガル語が入っていないところからそれは明白である。
 これは文明と文化がぶつかると、大抵、文明が勝るということでもある。
 

 これがまた悲惨なことで、マイナー言語ってだいたいが文法文字規則発音がくっそ複雑なんですよ。習得するのに時間がかかるくせに……。

 
 頭が良くないと生きて行かれん社会が続くと、まぁ、おそらく続くしこれからますます悪化していくんだけど、そうなると最悪、世界には十個ぐらいしか言語が残らん。家ではその国の言語を喋るかもしれんが、学問の世界ではそうなっていくし、次第に、母語が英語で補助的に本来の母国語を使う、というような複雑なことになっていくだろう。
 人は利害や利益に沿って行動するんで、はなっから英語で教育っていう親は日本でも途上国でも増える一方になるだろう。
 つまり、日本語って、私が予想する十個に入れるかいなかの瀬戸際にいるんすけどね。
 
 そもそも、国連なんてそこらへんのことをわかっている連中のおもちゃなんで、国連の公用語って6か7ぐらいしかないし、国連の文書は英語かフランス語が基本です。あと、国際司法裁判所の公用語も英語とフランス語だ。
 つまり、英語かフランス語、どちらかが本来学ぶべき価値のある言語ってことですね。はい。

 そもそも、保守派の人って六明社の人とか褒めちぎるけど、大事なことを忘れているよね。
 ほぼほぼ、その人たちって、学問的な功績のほとんどが”翻訳活動”だよね、ってことです。
 まぁ、まず、不必要に横文字使うなって話でもあるんですけどね。
 
 で、今の日本の政治家はバカばっかりだから、日本のことをどうにかするためには理系の分野にだけ全ツッパ、これが選択と集中ってどやっていますが、学問の基本的なインフラは言語なんですよ。文系の学部に金入れる気がさらさらないんだろうけど、これがまずい。つか、文系の学問って明らかな失敗も成功もない上に、金が基本的にかからんのだがね。(例えば、哲学の研究家に1億入れても余るんですよ。本がすでに揃っているから。これが理系の研究だと1億って人件費にもならない。ゲームとかの制作費と同じね。で、儲かる理系の研究をするとなると、医学や製薬に限られていき、ますますドツボにはまる)
 このままだと高い金いれて、アメリカあたりに文化侵略され、高い金かけて育てた学生たちがピペット奴隷としてアメリカに輸出されるというオチが待ってますな。
 
 

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