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猫柳草庵

猫柳の隠れ里にある、庵です。 よろずのことを語るブログです。 政治やら思想やら宗教の話もするから苦手な人はスルーしてね。

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都市の強みとは 移動の利便性である





 都知事っていうのは、日本で最も人金物があつまる大都市東京の首長であり、その権限は総理大臣にも匹敵する、と、言われる時がある。
 それが、地方選挙で手に入るのだから、ちょっとアレな候補者があつまる地獄と化すのは必然かもしれない。当選せずとも目立つしさ。
 
 少なくとも、総理大臣は国会における最大勢力のトップ、まぁ、それがアレつーのが日本の最難問なんだか。
 最高裁裁判官なんてエリート中のエリートの中のトップオブトップしかなれない。
 それに比べると、供託金さえ貯めれれば、出れるのが地方首長選挙。出るだけなら誰でもできないこともなくない? てな感じだ。


で、都市と移動の問題だ

 当然のことだけどね。
 大都市が海沿いまたは川沿いにある理由であり、大都市に巨大なターミナル駅がある理由である。
 人はより便利な場所を取り合う。
 丸の内のオフィスビルつーけど、その理由はわかりやすく、たくさんの路線を利用できる駅前だから、会社があつまる。
 新宿駅は何十万人つー人が毎日利用するが、地方の県庁所在地の駅前は数千の利用客に収まる、とか、そういう事。
 今までの世界は、移動がパワーであり、移動を支え、移動を可能にする場所が都市であり移動の力は、人間のパワーを集約することを可能にした。同時にそれはデータや情報の移動でもあった。
 それは交易の利便性の問題でもある。
 
 馬や牛の家畜化、船や車輪の発明、運河の建造、水蒸機関、鉄道、自動車、飛行機。
 人間の移動にともない、都市は巨大になっていった。



 人が移動する必要がなくなる世界が到来すると、事情は変わってくる。
 
 5Gになると映画のダウンロードが秒という時代になる。リアルタイムで4k映像の送受信が可能になるだろうし、テラバイトのデータ量をネットで送れるようになる。
 すでにデータや情報は人間の移動を必要としなくなっている。
 
 そんな通信が可能になる年に、人類はウィルスによって移動ができなくなっている。

 可能な分野は仕方なくテレワークになってしまった。

 同じようなことが九十年代におきていたら、そもそもテレワークなんて不可能なんで、みんな、感染の恐怖を感じながらの出社を強いられていただろう。

 これは、人類と都市の関わりが根底から変わるようなことかもしれないし、そうではないかもしれない。
 そうではないなら、別に都市はなにも変わる必要はない。 

 もしそうなら、都市にとって、都市そのものの変化を促さなければ多くのビル群が廃墟となるうる事態になる。

 

 移動、輸送、交易、これらの能力が都市の能力を決めてきた。都市は農村部の余剰生産力によって支えられ、物や人が集まり、また、それらが他の地方や国へと運ばれていう場所である。
 これらの能力で他所に負けた時、都市はしょぼくれていく。 
 小京都と言われる町に、大都市の面影はない。だが、かつてそこは、確かに都市だったのだ。


 
 すでに、情報はどこにおいても良い時代が到来している。自然災害のリスクと電気代の問題の方が情報にとっては問題となる時代だ。
 ど田舎の山奥に図書館をつくっても採算は取れないが、データセンターはそうではない。
 テレワークは、人間の頭脳でさえ、そこにいなくても良い時代がきたことを示してしまった。
 

 都市にとっての最悪のシナリオは、交易、情報交換、労働力の集約に物理的制限がなくなることである。
 なぜ都市はそこが都市になるのか。

 それは、物理的制約のせいである。
 交易に海が必要なら、海のある場所が都市になる。
 道が必要なら、街道沿いにでき、鉄道輸送力が必要なら、鉄道が簡単に引ける開けた地理の場所がそうなる。
 
 都市と大規模なインフラ整備は切っても切り離せない関係にある。
 そもそも輸送力に問題があった北京のために大規模な運河が作られた。
 江戸の建造には利根川水流の大規模な治水必要であった。 
 鎌倉や広島は、港としての利便性と、そのための整備がその街の価値を高めた。
 ナイル川の治水や、パナマ運河、などの例もある。
 
 

 もはや、さまざな物理的制約はないのだ、という、時代がきた時、都市は都市のままでいられるのか。
 しかし、同時に情報や物の不均衡が是正された方が人類にとってはいいことかもしれないという見方もある。
 世界の全てが、都市とも農村ともつかない状態になってなるのかもしれない。


 
 
 
 

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