紋章学というのは、紋章のルーツやデザインからいろんなことを探る学問で、ヨーロッパの騎士社会とか、そういうのと密接に関わっている学問領域でもある。ちなみにマスターすると学位は文学領域らしい。
イメージとしては日本の家紋学とかに近い。
紋章というのは中世騎士たちが戦場で掲げる旗とかに書かれていたわけで、基本的には派手な色で見やすいものというルールがある。
しかし、紋章に書かれる意匠には、その由来に謎が多く、本当に紋章の謎という感じ。
例えば、獅子や鷹などがかかれることが多いが「あれ、ヨーロッパにライオンっていたっけ」となるわけだ。フランス王族がよく使っていたフラダリも、あれは本当はなんなのだかよくわからないらしい。
同時にフランスがよく使うのが イルカ。イルカはフランスにもいるんだけど、おそらく、ギリシャのミケーネ文明とか、そういうところに影響を受けているのだろう。
同時に、その紋章を使うことで、その王族や貴族が何を主張しているかもわかるわけである。鷹はローマ皇帝の象徴なんで、それを使う王族や皇族は「我らこそローマの後継」という主張をしているとも言えるわけだ。(アメリカが鷹やら鷲やらをよく使うよね。建築物もローマ様式が多いし、外交戦略もモロにローマだよね パックスアメリカとかそういうところにもローマ帝国の後継って感じが滲み出てるよね)
現代でも大学や自治体などが使っているわけで、そういうところも、細かく見るとパトロンとか由来がわかる。
で、この紋章の謎が、古代史、考古学、言語学と結びつくことによって、阿鼻叫喚の事態となる。