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猫柳草庵

猫柳の隠れ里にある、庵です。 よろずのことを語るブログです。 政治やら思想やら宗教の話もするから苦手な人はスルーしてね。

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世界を作るもの 宗教と政治

パリ散歩動画にハマっているのだけど、アンリ4世の生涯は面白いねっていう話。
 苛烈を極めた宗教紛争の真っ只中を生きた王様だからね。

 ようは、ローマ帝国を後期、支配したものがキリスト教であり、宗教会議を生き延びたのがローマ・カトリックであるってこと。ヨーロッパの王って自律的に世界を構築することができなくて、ローマ・カトリックが「こいつが王様!」っていえば王様、破門されたら王様じゃなくなるっていうことだよね。
 で、とうのローマ・カトリックがイタリアの貴族やドイツの諸侯たちの持ち物みたいになっていったら、そりゃ、歪なことになるわな。
 そもそもイギリスには全然カトリックが振り向いてくれないし、フランスはアンリ4世の再婚相手にメディチ家のお嬢さんが来るしだわ、パプスブルク家は血統主義をうまく利用してヨーロッパ中に血統をつなぐわ……。
 そん中で贔屓され取ったのがスペインなんだが、あれは結局、過去にイスラム教圏だったからだよね。
 イギリスとカトリック教会の歴史を考えば、アメリカの大統領にカトリックの人がなっても、よろしく思うわけがないよね。
 しかし、あれだ、アメリカ大統領と宗教って深い関係があるから。

 王様っていうんだからえらいんでしょ? っていうのはいかにアジア的な感性かわかるよね。
 皇帝権力が一つの中華世界を作っているなら、日本だって天皇が一つの日本世界を作っている、そういうイメージでいいわけだ。
 王より偉いものに抽象的な神仏がいるだけで、教会や寺社仏閣がそれ以上に偉いとういうことがない。
 ヨーロッパの権威っていうのは、こちらで例えると、中国の天台宗の偉い人がアジア中の皇位継承に文句を言えるっていう感じね。
 
 権威というものが宗教にくっついている世界が欧米なわけで、それを乗り越えるために革命が起きたといわけだ。
 故に、ノートルダムはパリの象徴でもあるわけだ。あれは国家の持ち物だから。つまり、国家が宗教を乗り越えた象徴なので、信仰の象徴とはちっと違う。

 ルネサンス期にローマの多神教時代が称揚されるのも、宗教を乗り越える運動の一つでもある。

 

 
 で、西洋は、あれだ、宗教思想の違いによってちみどろの戦争になる。 
 東洋は、王の系図が問題になるから、絶対に、男系列か女系列か決めなきゃならんこと。で、大体の場合は男系列だ。
 しかし、アジアの国多くが、植民地支配の結果として、王がいないから。
 (冷静に考えれば自らの力で皇帝権力を葬ったフランスと中国ってすごいな)
 

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